TASAKIのサステナビリティについて

社長メッセージ

TASAKIは、真珠養殖やダイヤモンド研磨、ジュエリーの制作から販売までを一貫して自社で手掛ける独自産業を展開しています。そのため、マーケットのトレンドを把握した上でターゲットにマッチする商品を企画し、その商品に合わせた素材の調達を自社で行うことが可能です。常に一貫した戦略の立案及び実行ができることは、ステークホルダーの皆様の期待に応える上でも大きな強みと言えます。TASAKIは、自社養殖場や販売網の拡大等を通してこの独自の体制を一層強化してきました。

近年、ESG(Environment:環境、Society:社会、Governance:ガバナンス)投資をはじめとするサステナビリティへの取り組みに対し、関心が高まり続けています。その背景には、これらの問題に対する配慮と前向きな取り組み姿勢がなければ企業は安定的に利益を上げることができない、という考え方が存在していると理解しています。

サステナビリティへの取り組みはTASAKIにとっても事業存続に関わる非常に重要な課題です。たとえば、日本近海でも海面の水温上昇が問題となっていますが、美しい真珠を生み出すあこや貝は水温等の海況変化に弱い、繊細な生き物です。このまま海水温の上昇が続けばTASAKIの真珠養殖事業に支障が生じる恐れもあります。このようにサステナビリティは企業そのものの持続可能性にも関わります。自らが属するコミュニティに対して、いかにして本質的な貢献を成しうるか、真剣に考えなくてはならない時代と言えます。

代表執行役社長

田島 寿一

Toshikazu Tajima

このような時局において、TASAKIは以下の4つのテーマのもとで2030年までのサステナビリティ ロードマップを2022年に策定しました。 

安心して購入いただける高品質な商品・サービスの提供

安心して購入いただける高品質な商品・サービスの提供

安心と品質はまさに商品の付加価値の一部です。近年、消費者の間では、商品の品質のみならず素材の産地や背景に対する関心も高まっており、何ら「後ろめたさ」を感じる必要のない商品・サービスを提供すること、またそれが可能となるような体制構築に励むことが企業の責務となりつつあります。TASAKIは、商品の付加価値の維持と向上のためにこのテーマに取り組みます。

多様な人材が安心して働き成長できる職場の提供

多様な人材が安心して働き成長できる職場の提供

企業が課題に直面したとき、それを打開する力となるのは人材です。各人の常識の枠にとらわれず、チームでアイディアを出し合い自由闊達に議論してこそ解決策に辿り着くことができます。現在のTASAKIには既に様々なバックグラウンドを持つ人材が揃っていますが、今後も多様性豊かで風通しの良い職場をさらに整えていきます。

環境にやさしい企業活動の実施

環境にやさしい企業活動の実施

TASAKIが特に真珠養殖を通して自然と向き合っており、気候変動の影響を直接的に被る可能性があることは先に述べたとおりです。ロードマップにおいては「2030年までに事業活動におけるカーボンニュートラルを達成する」という目標を掲げました。チャレンジングな目標ですが、企業の持続可能性を守るという観点から、ぜひ達成したいと考えています。

透明性のある経営の実践

透明性のある経営の実践

企業は節目節目で重大な決断を迫られますが、企業に求められる透明性とは、たとえ世論の大多数の期待とは異なる決断を下したとしても、その決断に至った背景を明快な言葉で説明できることである、と考えています。5年後、10年後に振り返ったとき、あのときの決断は間違っていなかったと自負することができ、説明責任を果たせる会社でありたいと考えています。 

このロードマップには高い目標も含まれますが、まずは足元の目標から地道に取り組みたいと考えます。それがゆくゆくは環境をはじめとする地球規模の課題に対して貢献することにもつながる、と信じています。

TASAKIは、世界中のお客様に唯一無二の価値を提供できる、日本発のグローバルラグジュアリージュエラーであり、それを理解いただき、またそうあり続けられるよう、全社員で取り組んできました。「新しいことにチャレンジする」というDNAを創業当時から受け継いできたTASAKIの、安定的な成長をご期待いただきたいと思います。

 

サステナビリティに対する考え方

TASAKIは、かつて冠婚葬祭が主な用途であり保守的なイメージが強かったパールジュエリーの世界へ、個人の自由な表現で楽しめる斬新なデザインを次々に提案し、業界に新風を吹き込んできました。TASAKIが重視しているのは、新たなニーズをマーケットに生み出し業界の可能性そのものを広げることであり、経営理念にある「最高の顧客満足」を提供するためにも不可欠な取り組みです。これからも、既存のマーケットにおけるシェアを拡大するのではなく新しい価値の提案によるマーケット創出に取り組むことを通して、業界全体への貢献を成したいと考えています。

これはサステナビリティが目指すコミュニティとの共存共栄という目的とも通じるものであり、TASAKIが歩む道には本来的にサステナビリティの精神が息づいていると言えます。TASAKIは、その精神を堅持しながら、持続可能な未来の構築に向けて一層取り組みを強化し、業界において一歩先を行く企業になることを志しています。

管理体制 

従来、TASAKIでは部門ごとにサステナビリティに関する課題に取り組んできました。2022年5月、全社で取り組みを強化することを目的にサステナビリティ委員会を新設しました。今後は、目標に対する進捗確認や新たな課題に対する取り組みの検討を部門の垣根を越えて全社で定期的に行うなど、ロードマップに沿った目標達成へ向けて取り組みを積極的に推進します。

ロードマップ

TASAKIは、下記4つのテーマに沿って、サステナビリティの取り組みを進めていきます。それぞれのテーマについて、2030年までに以下のような目標の達成を目指します。

安心して購入いただける高品質な商品・サービスの提供

安心して購入いただける高品質な商品・サービスの提供

  • 真珠、ダイヤモンド、地金など、主要な素材についてコンフリクトフリーな仕入れ100%を実現します。
  • お客様により安全な商品を提供するため、常に情報収集を行い、商品に反映できるような仕組みを整備します。
  • 地球環境や社会課題に配慮したものづくりの方針を、商品販売の場も含め全社的に浸透させます。

多様な人材が安心して働き成長できる職場の提供

多様な人材が安心して働き成長できる職場の提供

  • 社員それぞれの状況に応じた働き方ができ、能力を発揮できるようなサポート体制の構築や、社員の意識改革を行います。
  • すべての社員に対し、キャリアプランに合った教育・研修を提供し、自己実現をサポートします。
  • 社員のエンゲージメント強化をはかります。
  • 社会情勢の変化やニーズに対応できるよう、体制を時代に合わせて進化させていきます。

環境にやさしい企業活動の実施

環境にやさしい企業活動の実施

  • TASAKIの技術を、真珠養殖だけでなく食用の二枚貝などにも応用し、大学などとも共同でより社会に貢献できる体制を構築します。
  • 環境を保全しながら、地域に根差した養殖業を展開します。
  • 養殖業で用いる資材を、すべて環境にやさしい資材(生分解性プラスチック等)に変更します。
  • 事業活動において、カーボンニュートラルを達成します。
  • 養殖場でのゼロエミッションを達成し、資源の有効活用を実現します。

透明性のある経営の実践

透明性のある経営の実践

  • 社内外という属性に限らず、年齢、性別、国籍、スキルなど多様な視点を備えた取締役会を組織します。
  • 世の中の動きを機敏にとらえた、迅速な意思決定を実現します。
  • 社内での経営層と従業員の対話を強化し、スピード感を持って課題を解決できる仕組みを整備します。
  • 情報開示や対話機会を継続的に設け、投資家から信頼される企業を目指します。
  • コンプライアンスに関する研修・教育機会を継続的に設け、従業員各人がTASAKIの社員として誇りとインテグリティを備えられるようにします。
  • 法規制違反件数0を徹底します。
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編集方針

対象範囲

株式会社TASAKIを基本としていますが、グループ会社を含む場合は文中に明記しました。文中の「TASAKI」は株式会社TASAKIを指します。

対象期間

株式会社TASAKI 2022年度(2021年11月1日から2022年10月31日)を基本としていますが、定性情報は一部2021年度以前または2023年度の情報を含みます。2021年度以前または2023年度の情報に関してはその旨を文中に明記しました。​

発行時期

発行日 2023年8月23日

参考にしたガイドラインなど

GRI / ISO26000

将来見通しに関する
注意事項/免責事項

本レポートに記載されている将来に関する記述は、TASAKIが本レポート発行までに入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成をTASAKIとして約束する趣旨のものではなく、様々な要因により大きく異なる可能性があります。

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